本書の中身(一部) 年収10倍アップ勉強法(勝間和代・著 ディスカバー21 宇宙が味方する経営 伊藤忠彦・著)


成功本50冊「勝ち抜け」案内 How to Improve Your Reading Skills for Success in Life (Kobunsha Paperbacks Business (013))


の中身を一部紹介します。

タイトル通り50冊を紹介していますが要素は
1 基本データ 5つ星とコメントで紹介
・よみやすさ  主に文章の読みやすさ
・実現できそう度 本に書いてある成功の実現可能性
・成功度合い その成功を実現した場合の凄さ または人物像のイメージ
・感情揺さぶり度 本を読んで受ける衝撃度や単純に感想
・内容充実度 読んで得られるメリットの紹介

著者プロフィール

2、本書のナナメ読み
そもそも本に書いてあることをダイジェストで要約紹介。結構、骨の折れる作業ですが、主観を混じえた解説だけ読むと内容を誤解する可能性があるので、本のトーン、エッセンスがわかるようにしています。

3本書の勝ち抜け案内
 いわゆる書評っぽい部分。本文を引用しつつ読みどころの紹介

4こんな誤読をしていないか?
 水野(私)の主張となります。


以下


無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法



若干、成功本50冊内と違う部分があります。文字数などで削除されてしまった部分など。
良かったら本を買って見比べてください(笑)。


『無理なく続けられる
年収10倍アップ勉強法』
勝間和代(ディスカバー21、2007年4月刊、1500円)

【基本データ】
・ひとことで言うと……自分による自分のための自分への投資のススメ
・評価(5つ星が最高点)
項目 評価 寸評
よみやすさ ★★★★ 売れてる成功本の文体を踏襲
実現できそう度 ★★★ 徹底した「自力本願」路線
成功度合い ★★★★★ 生きてるだけで丸儲け状態?
感情揺さぶり度 ★★★★ ロジックで納得させる本
内容充実度 ★★★★ 基礎編・実践編ともに内容充実

【著者プロフィール】
かつまかずよ:経済評論家(兼公認会計士)。東京都生まれ。早稲田ファイナンスMBA慶応義塾大学商学部卒業。当時最年少の19歳で会計士補の資格を取得した後、21歳で長女を出産。在学中から監査法人に勤め、以後、アーサー・アンデーセン(公認会計士)、マッキンゼー(戦略コンサルタント)、JPモルガン(ディーラー・証券アナリスト)を経て、経済評論家として独立。
【本書のナナメ読み】
 これは、史上最年少の19歳で公認会計士の2次試験に合格したのを皮切りに、子育てをしながら中小企業診断士およびオンライン情報処理技術者試験に1回の受験で合格、TOEICは新卒時の420点から3年間で900点にアップ、また証券アナリストをしながら社会人大学院でファイナンスMBAを取得(現在は博士課程に進学)するなどしてきた“私”の「社会人のための効率のいい勉強法」を紹介する本だ。
結果、“私”は新卒時から38歳までの16年間で、年収は約10倍になった。年率では毎年26%の収入増になる。
勉強でいちばん大事なのは、「勉強をうまく続けさせる仕組みづくり」だ。もし、私に人に勝っている点があるとしたら、そういった「仕組みづくり」がうまいということだろう。
もちろん、この仕組みづくりにはお金も時間もかかる。自分専用のパソコンや専用ソフトウェア、MP3などの道具を買う必要があるし、教室で習う必要もでてくるだろう。だが収入のおおよそ5〜10%を勉強法の勉強のための投資に費やしていくと、必ずその2倍から10倍以上になって返ってくるはずだ。
勉強のコツは、?基礎を最初に徹底的に学ぶ、?先達から勉強の仕方を聞く、?学ぶ対象の基本思想を理解する、?学んだことを自分のことばでアウトプットする、?勉強をわくわく楽しむ、という点だ。この本を閉じたら、まずはスケジュール帳に勉強の予定を書き入れよう。ノートパソコンを持っていない人は買って、持っている人はさっそく必要な情報収集に励んでほしい。
勉強に必要なのは意思ではなく、仕組みや設備への投資なのだ。
【本書の勝ち抜け案内】
本書では、「英語」「会計」「IT」「ビジネス」などの分野で効率的に勉強する方法を事細かに紹介しているのだが、類似本との最大の違いは「収入の5〜10%を勉強のために投資せよ」という主張である。著者が実践している方法を要約すると以下のようになる。

■最初に自分専用のノートパソコンを買って、パソコンが自分の補助脳になる仕組みを作る
■筆者は壊れた時のために「レッツノート」を3台所有
PHSの通信カードと無線LANの併用で外出先でも勉強できるようにしている
■「フォトリーディング」という速読法をマスター
■MP3プレイヤーで「Audible」という海外のオーディオブック販売サイトでダウンロードしたビジネス書や、著名な経営者や心理学者の講演を聞く
■パソコン上で使えるソフトウェア「Mind Manager Pro」(Mindjet社)を使用

これは投資先として株や不動産などではなく、人的投資の運用効率がいいと指南しているのだ。つまり、ほかならぬ自分自身に投資することにより、筆者は16年間で収入を10倍に高め、複利で年26%のリターンを得たというのである。
人間はだれしも「勉強は苦手」「自分は地頭がよくない」とネガティブになりがちだが、著者は、

《勉強法において差別化できるのは道具とやりかたです。人間の覚える能力とか意思の力には、そんなに大差ありません。》

と断言し、読者の苦手意識を払拭してくれる。また、

《勉強にも、料理やスポーツと同じで、共通のコツがあり、これをマスターすると会計とITと英語のように一見、関係ない分野の勉強も短期間で身につけられるようになります。》

と勉強法をマスターするメリットを提示。やる気になった読者には、最短距離で勉強するためのノウハウも公開してある。

【こんな誤読をしてはいないか!】
本書では筆者が実際に参考にした手法、書籍やWEBサイトとして古今東西の成功本、成功ツールがふんだんに紹介されている。タイトルこそ「勉強法」であるが、読んでいるだけで成功にグングン近づいていくような気がする。続編の「年収10倍アップ時間投資法」「年収10倍アップ手帳」も売れており、「成功本のジャンルに新たなスター候補生が誕生した」と言っても過言ではないかもしれない。
、勝間さんの本を読んで気に入ったら「無理なく続けられる年収10倍アップ時間投資法」や「無理なく続けられる年収10倍アップ手帳2008 」など、他の著作も読んだ方がいい。著者と読者の相性はあるので、「この人はいい」と思ったら、いわば読書の上でのメンターと思い込み垂直的に読み進めていくのである。その方が身につく知識量も多くなるのではないか。



続いて個人的にお気に入りな一冊。



宇宙が味方する経営



気に入ってるならもっと堂々と褒めろ! って感じですが、
内容が内容だけに結構、気を使ってます。

『宇宙が味方する経営』
伊藤忠彦飛鳥新社、2007年8月刊、1600円)

【基本データ】
・ひとことで言うと……銀行頭取が語る「引き寄せの法則
・評価(5つ星が最高点)
項目 評価 寸評
よみやすさ ★★ 一読では理解不可能か
実現できそう度 ★★ 天使の存在を信じることができれば
成功度合い ★★★★★ 魂か進化し、神の啓示が!
感情揺さぶり度 ★★★ この銀行に預金したくなった
内容充実度 ★★★★ とてつもないことが書いてあるのかもしれない

【著者プロフィール】
いとうただひこ:1943年生まれ。1967年京都大学法学部卒業、住友銀行(現三井住友銀行)入行。道頓堀支店長、取締役証券部長、取締役業務企画部長、取締役市場管理部長、常務取締役京都支店長、常務取締役法人業務第二本部副本部長などを歴任。1999年関西銀行取締役社長(後に頭取に改称)に就任。2004年関西さわやか
銀行と合併し、関西アーバン銀行頭取兼最高執行役員に就任。日中投資促進機構理事、日本イスラエル商工会議所関西本部理事。
【本書のナナメ読み】
 1998年11月20日、それは私の人生を大きく変える日となりました。「君、社長として関西銀行に行ってくれ」
 当時の住友銀行の森川敏雄会長に、こう言い渡されたのです。
当時の関西銀行といえば、バブル崩壊の余波をまともに受け、全国にある第二地方銀行でもワースト3に入る不良債権比率で、まさに破綻寸前の状態でした。それから7年、不良債権比率は第二地銀の中でトップの低さ。業務純益はベスト3に入るほどに増加し、2005年には東証一部上場もかないました。
 では、何が成功に導いてくれたのか。私が思うに、それは人知を超えた幸運ーーあえていえば宇宙の摂理としかいいようがありません。突拍子もない考えだと思うかもしれませんが、こうなる必然があったのです。私は、関西銀行に着任してすぐに次のような三つの経営方針を発表しました。

? 社会価値の追求 ?業務革新の断行 ?人間尊重の経営

 私はいつも、自分の行う目的は何かということを考えます。目的には天国から来ている、全ての人を幸せにしようとしている目的と、地獄から来ている、自分だけの幸せを満たす目的があります。天が喜ぶという目的を持ち、その実現に向かって正しい想念を持つ。そうすることで自ずと現実も好転していったのです。
こうして一歩一歩、真に社会の反映に役立つ銀行に変身させていくことで、関西銀行を徐々に宇宙の進化の気流に乗せることができたのです。
【本書の勝ち抜け案内】 
私もこれまで多くの成功本に目を通してきたが、本書のように「企業が発展するには、経営者、幹部、従業員の力に加えて、見えない天使たちの協力が必要なのです」などという主張を現役の銀行頭取が語ったのは前代未聞の出来事であろう。

《私が着任してからは、まず、金を融資するのは、企業を育てる手段だというのを大前提にしました。「天が喜ぶような目的ならば、少々の担保でもこの期間貸し出そう。そうすれば会社が良くなるし、社会のためにもなる」》

《私は「社会価値の追求」「業務革新の断行」「人間尊重の経営」という経営方針にスピリチュアルな気持ちを込めたのです。》

金融機関という数字が全てを支配する四角四面な世界において、「スピリチュアルな経営理論」によって「破綻寸前の銀行が再生」したばかりか、「脅威の業績上昇を見せている現実」をどう考えるべきなのか。ただし、著者自身も「宇宙が味方する経営」の真髄がなかなか理解されにくいことは認識しており

《もっとも、本書に書いてきたような話を、私は銀行の部下や取引先の人に言ったことはあまりありません。話したら、頭取は頭がおかしくなったと心配するに違いないからです。》

《そこで相手にもわかるように、そして怪しまれないように、工夫して自分の考えを伝えることがもっとも大切になってきます。そこが「宇宙が味方する経営」のポイントでしょう。》

という配慮は忘れていないようだ。
ただし、

《あくまで理性が大事であり、不思議なことをして、ものを信じさせるというのはよくありません。宗教家の中には、奇跡を起こして信じさせるという手を使う人がいますが、そうはしたくありません。奇跡は人間の理性を破壊する一種の強制であり、合理的な判断を超越してしまうからです》

という記述もあり、危険な匂いも漂わせている。

残念ながら、新聞などで、この本について真剣に取り上げた記事などを見たことがないが、もしかすると、後世においては、「世界で最も貧しい国であるバングラディッシュグラミン銀行を立ち上げてノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス氏と同じ時代に、日本では『宇宙が味方する経営理論』の銀行家、伊藤忠彦氏がいた」、などと歴史の教科書に載っているのかもしれない。
現代では「トンデモ本」に分類されてしまう恐れもあるが、後世での再評価の可能性すら感じさせる極めてポテンシャルの高い一冊と言えよう。

【こんな誤読をしてはいないか!】
せっかくなので、ぜひ一度は読んで欲しいと思う一冊であるが、そのことであなたの精神にどのような影響を与えるかを考えると、くれぐれも「自己責任」という言葉の意味をかみ締めて読んで欲しい。やはり、実生活を送る上で「本当に天使が見えて」しまったり、「六次元の世界の仕組みが理解できた」場合、普通は「相当にヤバイ状態」と認定されかねないからだ。確かに私自身もこの本を読んで「天使が見えたらいいな」とは思ったが、幸いまだ大丈夫のようだ。もし本当に見えたらもう自分自身が教祖になるくらいしか思いつかない。察するにこの頭取は達しているのかも。