そんなに危険か!? ビジネス本作家の値打ち


なんか、発売前から、「危険な本、とんでもない本」と煽ってしまったせいかもしれませんが、過剰反応を引き起こしてしまった(?)


 水野俊哉「ビジネス本作家の値打ち」(扶桑社)&

ですが、

6/21配信 新刊ニュース や 7月3日(土)の
・新刊JPニュースのインタビュー記事でも執筆意図とか話してますが、多少説明が必要かな、と(笑)。

まず、なぜ「ビジネス本バブル崩壊!」とか言ってるかというと、私がこれまで本を出してる出版社って、光文社、講談社徳間書店、そして今回の扶桑社をはじめとして(7月刊は双葉社)、漫画や雑誌や文芸がメインの総合出版社である事情もあって、今のビジネス書シーンって面白いよね! って共通認識があるんです。

だって、大手総合出版社のメイン事業部ってライツ系や漫画、雑誌、文芸であり、ビジネス書自体は、ニッチ系で、当然、そういった出版社の他部署の編集者と接している中で、色々な意見を聞くんですね。

でも、ビジネス書シーンにもいい部分と悪い部分が当然あり、良い方を見ると、

1売れていること
2売れるための努力をしていること
マーケティングやビジネス感覚があること

が結構、大きいのです。

ところが……作品のクオリティーに関しては、あまりにズサンな状況がありながらも、みながくさい物に蓋をしろ、というか護送団形式に「見てみぬフリをしてきた部分」は指摘せざるを得ないでしょう。

なにしろビジネス書を書いている人、あるいは著者名をクレジットしている人って99%は良くも悪くも表現者ではなく、会社の経営者やコンサルや会社の従業員だったりするんで、「本のクオリティ自体への配慮」は、他の表現物に比べると配慮が足りない傾向があるのです(みながみなではありませんよ)。
 だから実際は、編集者が書いていたり、量産せんがために同じテーマでタイトルなどを変えて何冊も出したり。
 大体、もし、東野圭吾さんの本が、実際は別の人が書いてあったら普通、みんな買わないでしょう。
 原案 東野圭吾 執筆●●みたいな。

でも、勢いのある業界特有の現象でしょうが、みなが売れてるからいいじゃないって感じで、その辺の検証もなしに本を出し続けることにより、リテラシーのない人が、「●●さんの本だから、いいことが書いてあるに違いない」というレベルで全肯定していくので、「なんかみんな褒めてるからいい本なんでしょ」っていう評価が形成されていることに対して、オシリがムズムズしている人って、業界のプロには一定数いるのです。


実際は本を一冊書き下ろすって大変なことですよ。自分で書いていれば。

実は、誠実な本を作るのは、読者のためではあるけれど、しいては出版社と著者のためではないだろうか。
それについて論議してくれている書評ブロガーも同じ。
決して、私の思いつきや「あいつきにくわねー」とかいう動機で「書かせてくれ」って言ったとして、大手出版社に限らず、商業出版のメインストリームの流れでは、依頼しませんからね。
 言葉足らずですけど、これは業界や表現に対して真剣に考えている人なら、多少危機感を共有してしかるべきだと思います。



とまぁ、再度、警鐘を鳴らしてみましたが、私自身、今日は29日発売の図解思考術の下版で、7月5日くらいには7月刊の締め切りもあります。

とにかく、常に読者のために前を向いて生きているので、いろんな意味で「負けられない戦いがある(笑)」と。

いえ、主に締め切りのことなんですがぁー。

とはいいつつ、今日も楽しくフットサルしてきましたので、付近のロックス
リブロさんの画像です。


ちなみに 19日のセミナーと麻雀ワールドカップの合間に訪問した 目黒アトレの有燐堂さん(確か)では、なぜか、扶桑社さんの勝間さんの新刊と私の新刊が、隣同士で並べられたりして「この担当の方、オシャレやなー」と思いましたけどね(笑)。



以下は常見さんのブログからの抜粋です。


そして、楽しみにしていた水野俊哉さんの新作、『ビジネス本作家の値打ち』が届いた。集中して読了。このブログを読んでいる出版関係者、著者、ビジネス書読者、マスコミ志望の学生には必ず読んで頂きたい。これは現状の出版業界、特にビジネス書に関する問題提起の本である。

売れっ子ビジネス書著者とその代表作を批評するという、ありそうでなかった本。代表作に対して100点満点で採点するという企画も秀逸。

まぁ、レビューでも書かれていたけど、点数の付け方が70点台が多くてもっとメリハリをつけるべきだなと思った。また、@chibamaさんがご指摘されているような、事実の誤りなど、雑な部分も正直あった。個人的には、「もっと読みたい!」と思った作家に対する紹介&評価がとても短めだったり、1ページと1/3くらいで終わっていて、「スペースあるんだから、もっと書いてくれ」と思ったりしたのも正直なところだ。

ただ、この本は、現状の粗製濫造に走り、売れるビジネス書作家に依存せざるを得ない、そして作品の中身より「短期間で売れるか」ということに走りすぎている出版業界に対して警鐘を鳴らす本として、意義のある本だと思った。

ふと、みうらじゅんさんの『アイデン&ティティ』や、そこで描かれていたバンドブームのことを思い出したのだ。うん、バンドブームそのままだよな。点数の傾向も面白くて、初期の作品が高く、だんだん下がっていくのもバンドブームに似ている。勝間さんが美容本(笑)を出したのも、バンドの中期、末期に音楽性が変わっていく様子に似ていて興味深い。点数も90点以上の本がほとんどないことも注目されるところだな、そういえば。

そして、水野俊哉さんの、本に対する深い愛を感じたのだ。

私も一応、商業出版で12冊出している著者なので、考える部分が多々あった。正直、複雑な心境になった。普段、抱いている不満と、読者に対する懺悔を含め、心境を書こう。

本を書くという仕事について最高の想いも絶望も両方味わってきている。

2007年に私は作家デビューした。ハッキリ言って、右も左も分からなかった。一生のうちに本を出すということが出来ただけで、大感激だった。ただし、「本を出す」ということと、「良い本を書く」「売れる本を書く(いや、本を売る)」という行為は違うということに気付いたのだった。

そして、水野さんの本の前書きで書かれているような、出版ビジネスの実情というものに、気付いたのであった。取次に本を納入すると一度は売上が立つので、点数を増やしていかなくてはならない構造、専業ビジネス書作家ではやっていけない構造、amazonなどのランキングを上げる(捏造するに近い)ための構造、著者買いなど売るための工作、売れるフォーマットで作る…。そんなことを間近で見聞きしてきた。

その後、一部の本が売れ(いや、手前味噌だが、今の市場環境から言うと、大ヒットしてと言ってもいいと思う)、おかげ様で仕事はたくさんくるようになったし、現在の就活本の流れに少しでも関わったと自負している部分はあるが…。諸々、簡単ではない。そして、心境は常に複雑だ。

いかに良いものを作るかにはこだわっている。でも、売れるものを作らなくては残れないという不安は当然ある。著者にも売る努力は当然、期待される。売れないと本当に仕事がなくなるし、それ見たことかと言われるし、売れたら売れたで叩かれる。そんな精神的プレッシャーで体調を崩すことだってあるわけだ。

「自分で献本用に買うときは、紀伊國屋書店で買ってください」と出版社にお願いされたこともよくあったな。いや、紀伊國屋書店のパブラインのデータで出版社は動いているんだよな。そして、ここで自分買いしてデータを釣り上げている人はたくさんいる。amazonだってそうだよな。特に、会社の社長本などの場合、所属する会社の社員にこれらの場所で大量に買わせて釣り上げている部分もあるんだよなぁ。

出版業界は苦しい、苦しいと言われているし、実際苦しいわけなんだけど、自業自得だったりして。そして、電子出版に活路を見出そうとしているわけなのだけど、一つだけ確かなことがあって、「お金を払ってでも欲しいものではないと、買わない」ということなんだな。

以前、編集者さんに「ブログみたいな文章を書かないでください」と叱られたことがある。この言葉に、私は大変感謝している。「お金を払ってでも欲しいもの」を作らなくちゃね。

そして、本が好きな、本を愛してやまない読者ほど、現状のビジネス書から離れていっているように思うんだな。絶対数で言うと、そりゃ売れ筋の本が売れるし、ある意味、売るように仕向けられているんだけど、読書好きは本物を求めている。ビジネスパーソンにしろ、学生にしろ、「明らかに優秀」だと感じる人たちは、売れているビジネス書を読んでいない。それこそ、古典だとか、海外の硬派な本に回帰している。そして、洋書を読んでいるんだなぁ。

うーん、商売だから売らなくちゃということで悪循環になっているんだなぁ。でも、DACHAMBOのメンバーが書いていたけど、売れ筋の追求、しかもそれが無料で手に入る時代が加速すると、文化の質って下がっていくんだな。いや、下がったとしてもそれはそれで文化なんだろうけど。10年後、20年後に自分たちの子供が口ずさんでいる曲がダサくて、簡単な文章しか読めなくなっていたら悲しいなって思う。完全な感情論だが。まぁ、今までの品質が高すぎたという議論や、一方で今までのメディアの質は高いのかという議論もあるけどね。

で、思い切り精神論だが、「よいものつくろう」まずはこれを日々、愚直にやるしかないんだよな。


最後まで読みたい人は
http://blog.livedoor.jp/yoheitsunemi/archives/51100453.html
にアクセスしてください。



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読書中






●紹介いただきました!


山といえば川
http://yamatoiebakawa.blogspot.com/2010/06/20-bizbook-neuchi.html

Twitterなどで発売前から話題となっていたので、辛辣な著者評の本なのかなと勝手に想像していました。

ところが、実際読んでみると著名な大御所作家から新進気鋭の作家まで、それぞれの著作についてレビューされていて、著作ごとに評点が載っています。

評価が定量化されているので、ビジネス書読者の本選びの参考になる本ですね。

点数化しているためどうしても賛否両論が出るでしょう。でも点数化することにこそ意義があったと私は考えています。

なぜなら、これをもとに具体的な議論が起こるだろうからです。


ディスカヴァー21の干場弓子社長がおっしゃっていました。

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ビジネス書ブームは過ぎている。
電子化の波も相まって、これからは淘汰が始まるだろう。
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今後のビジネス書の質を上げていくためにも、ぜひ生産的で建設的な議論を期待します。


思ったほどどぎつい内容ではなかった。
というのが正直な感想。

水野さんご本人が書かれているとおり、ミシュランガイド的に読むと面白い1冊です。

良い評価も悪い評価も一流の証拠ですよね。

本屋さんで手にとってみてください。

ビジネス書に対する意見や評価は、人の数だけあります。
それは読む側の立場や読書レベルによって変化します。

その点を心に留めて、これからもビジネス書を選ぼうと思います

→champleさん ありがとうございます。

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